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Escape From The Thinking ! Kyoto ! 1 [旅々]

京都へ紅葉狩り。

はるばる横浜から来たLDメンバーと合流して、一日目一杯寺巡りだった。

 

 

朝8時前に家を出て、最寄り駅の篠原へ。

自転車で20分とステキな距離を、眠い目をこすりつつスタートだ。

と、思ったのだが、中高6年間乗り続けた愛用のチャリンコが前輪をパンクさせている。ビニールハウスの中で放置自転車並みに放置されていたこともあってか、タイヤがぺちょんぺちょんだった。やべー間に合わへーんと焦りながら、目に付いたのは祖母の自転車。これで、行くしか、ないのか。

 

 

えんじ色の輝くフルメタルボディに、やたらと低いサドル。

カマキリ型のハンドルに、壊れかけてベコベコ音を鳴らすチェーンカバー。

錆びて動かなくなったチリンチリン、

そして、見るものを釘付けにする、

 

「手カバー」(刺繍付き)

 

 

全てを兼ね備えたこのチャリンコに乗って、篠原駅を目指すことになった。

 

 

 

小中高と「ババチャリ」と馬鹿にして、乗っているやつはいじめの対象にすらなっていた自転車に、今僕はまたがっているのだ、というある種の感動めいた感情を抱きつつ、田園風景を切り裂くように走っていく。

 

この年齢になったからこそ、知り合いに見られても「いやー、乗る自転車が無くてさー」と言い訳できるだろうが、小中高生の頃だったら、たとえパンクしていても確実にババチャリは選ばなかっただろう。いくら言い訳してもいじめられるだけの行き過ぎたロイヤリティを、ババチャリは持っている。

 

 

 

 

 

 

 

だが、「手カバー」?正式名称は分からないが、

 

 

 

 

こ れ が め ち ゃ く ち ゃ 温 か い 。

 

 

あなどるなかれババチャリ。

ババシャツが一時期見せた興隆を思わせる「温かさ」を、あの「手カバー」は持っていた。

恥ずかしさを代償に得られるものは大きい。

 

ちょうどiPodのランダム再生が、pillowsの「RUNNER'S HIGH」をチョイス。

 

Escape from the thinking !

 

Do you see what I mean ?

 

と、思い切りこの場を表した歌いだし。

手カバーババチャリに乗っていては、まさしく「Escape from the thinking」である。

 

 

 

 

 

 

 

まだ朝8時過ぎともあって、辺りは寒々しい霧に包まれる。

マフラーを忘れてきてしまったので、寒い寒い。

走り続けて25分。駅前の平和堂に自転車を止めて、駅へと到着した。

 

 

 

京都へ向かう電車の中、ちょうど登校途中の女子高生二人組が近くに座る。

会話の内容に聞き耳を立てると、「前日別れた所から、今朝会うまで」をお互いに確認するかのように、報告し合っていた。これが非常に面白い。なんなんだこの作業は、と思いつつ、一つ一つ紡ぎだされる女子高生の日常に興味が湧き出る。

「家帰ってー、宿題してー、寝ちゃってー、でなー、お母さんが起こしに来てくれたんやけど、もう9時で、全然ご飯食べる気せんくてー、漫画読んで、宿題仕上げてたらもう12時やんかー。でもなかなか寝られんくて、結局寝たん2時やってん。」「えー、遅刻せんで良かったなー。あたしはー、家帰ってー、ちちんぷいぷい見てー、宿題してー、ご飯食べて、有閑倶楽部見てー…」と延々続く。一人ひとりが「俺のターン」のように、自分語りを共有していく姿が滑稽だけど新鮮で、面白かった。多分高校時代はそんな会話もちゃんと耳にしてたはずなのになー。

 

 

 

京都駅について、山陰本線に乗り換え。

 

なつかしのオレンジ電車で、嵯峨嵐山へと向かうのであった。

 

 

つづく。

 


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