人命救助(焦燥編) [ひとりあそび]
まだの人は 「人命救助(転落編)」 - 「人命救助(救出編)」 をどうぞ。
(今回もjpegペイント画像満載でお送りします。)
前回、崖下からなんとか暴君K沼を救出し、寝かしつけることに成功したプロジェクトチーム。この暴れ牛も今度ばかりは深い眠りにつき、すやすや…といい気持ちではないだろうが、ぐっすり眠っている。
気温はおそらくヒトケタ。何人かが交代でベースキャンプ(I本邸内部)から出て、暴君の様子を見張っているのだが、体が蝕まれていくのが良く分かるくらい寒い。寒い。寒ーーーーーーい。外にいるのがこんなに辛いとは…と、ぼんやり暴君を眺めながら思う。
最初の方は、暴君の背中にトイレットペーパーで文字を書いたりして遊んでいられるくらい元気があったが、徐々にその元気も無くなり、最後は「早く起きないかなぁ…」と祈るようになった。寒さに体力を奪われたのだ。例に漏れず、コンクリートに寝ている暴君も、いくら上着がたくさんかけられているとはいえ、寒さに身を震わせているに違いない。
前回、8月も外で寝てしまった暴君であるが、今回はそれとはわけが違う。
8月の夜と、11月の夜は、雲泥の差である。
しかもこの暴君は、またまた神様を呼んでしまったのか、
「この夜-朝が、この秋で一番寒い日」
というミラクルに恵まれた。すごすぎる。
しかし、感心してばかりはいられない。
イベントはいつも突然やってくる。
待っている方も気が遠くなり始めた午前6時前、毛布で暖を取りながら暴君を監視していた、I本、K山、そして僕の目に、衝撃的な光景が飛び込んできた。
これはもう、放送禁止である。
やばい。
やばい。
やばい。
ハチミツとクローバー風に言おう。
「俺は初めて、
人が死に向かう瞬間を
見てしまった…。」
現実に今、「凍死」をしようとしている人間が目の前にいるのだ!
やべえええええええええええええええええええええ!!!!!
徐々にあわただしくなるベースキャンプ。
「お湯を!お湯を!」
「とにかく何か温かいものない!?」
温かいものを買いに走る隊員、湯を沸かす隊員、凍死しないように必死で起こす隊員、それぞれが、焦り始める。
震える暴君の手が、全てを物語る。
これはもう、ハッキリ言ってホラーだ。
崖から落ちたときよりもよっぽど戦慄する。
起きろ!起きろ!と、やっとの思いで目を覚まさせるものの、酔いはまだ覚めていない様子。これはまずい。こちらの言っていることがまるで通じない!焦る、焦る。
「とにかく、風呂に入れよう!」
案は即採用となった。
しかし、どうやって…
酔いは少し覚め、体も冷えてはいるが、暴君の体力はまだまだ健在である。
加えて、死に向かっているとなると、発揮される力は尋常ではない。
このままでは、「死なせろよ!」の言葉通り、死んでしまう。
(今見るとこれ笑い話みたいだなぁ。その時は必死だったよ。)
作戦を考えている暇はない。
とにかく今回も、「風呂に押し込む」という方法を取らざるを得なかった。
だって言葉が全然通じないんだもん♪
ベースキャンプ内のお風呂場へ続く道を確保。
その間、暴君には「お湯」でなんとか耐えてもらう。
「とにかくお湯を飲め!飲め!」
と、勧めるも、頑なに拒否する暴君。
飲めよ!(笑)
笑い事ではない。
とりあえず、ペットボトルからお湯を手にかけてあげることに。
Aんちゃん(ややこしいな)、グッジョブ!
顔も唇も色がおかしなことになり始めた暴君。
お湯をすり込むように、手をさする。
しかしこれは一時的な暖でしかない。早く風呂に入れないと、濡れた手では寒さが倍増してしまう。
と、これを2、3回繰り返していると、
暴君はまた暴挙に出た!
寒くてたまらなかったのだろう。
お湯を頭から浴び始めた。
服もズボンもびしょびしょである。
おいいいいいーーーーー!!!!!
なにやってんだよおおおお!!!!!
その姿は、さながら
「雨乞い」
のようだった。
もう一度言おう。
「俺は初めて、
人が死に向かう瞬間を
見てしまった…。」
手どころか、頭や服までびしょびしょになってしまっては、余計に体温が奪われるだけだ。なんとしても止めなければ!とにかく手や首筋だけを温めてあげられるように、Aんちゃんと協力してお湯を体につけてあげる。断続的に。
お風呂の準備がもうすぐ出来る!そんな報告が入り、小さくガッツポーズをする。
これでようやく一安心…、
と思いきや、
暴君が暴君たる所以を、また発揮する。
てめえええええええ!!!!!
人の手からペットボトルを奪い取り、自らお湯を体に浴びせ始めた。
おいおいおいおいおい!!!!!!と、Aんちゃん共々必死で止める。
もう、これ笑うしかないだろ!
(徐々に暴君の画像が薬物中毒者みたいになっているのは気のせい。)
そんな掛け合いをしながら、暴君を暖めているうちに、ついにお風呂にGOサインが出る。よしきた!早く、彼が死んでしまう前に、お風呂へ!
プロジェクトチームの最後の仕事が、今、始まる。
(全てを読むには「リットルリットル」と書き込んで下さい。)
リットルリットル~
Kっき~ごめん、Kっき~のために買いに走った肉まん
普通に自分で食った。
by K山君 (2006-11-21 02:42)
リットルリットル! すげぇ、もうドキュメンタリーだね。
by 吉田 (2006-11-21 02:59)
リットルリットル!
死にそうなくせに、暴君の勢いはすごいね!
by ゆう (2006-11-21 08:26)
え、死んでないですよね、まじめに…。
「リットルリットル」
by Tz (2006-11-21 23:08)