逃走劇 [雑記]
えーと、「逃げる」っていうのはなかなか象徴的な行為で、まぁ何度か見たことがあったり経験したことがあったり、それこそ日常的にセカイでは行われていたりする。んだけども、よくよく考えてみると、実はそうやって「逃げる」現場に遭遇したりだとか、実際に自分が行うなんてことは、あんまり無いんじゃないかと、思ったわけである。
犬に追われて逃げるとか、あんまりないよね。
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先日、人が全力で「逃げる」現場に遭遇した。
その逃げる様が、なんていうか、本当に新鮮で、
「いやぁ、人って本当に、逃げるんだ。」
と、
「逃げる時、やっぱり人は、走るんだ。」
という、二つの驚きを覚えたので、こんなことを書いていたりする。
その人物は何から走って逃げたかと言うと、
「好きな人」から、だ。
なんだろう、こう書くとロマンチックだが、
好きな人から全力で逃げたのである。
その「逃げる」という選択があまりに僕らの想像の範疇を越えていたので、
ただ、ただ、驚いた、のがその時の感想だった。
彼は一体何から逃げていたのか、難しいなぁ。
その日、彼はある女性に告白する予定になっていて、
僕を含めた回りの人間もそれをサポートする万全の体勢。
まぁサポートしなきゃいけない時点で万全の体勢ではないわけだけども(笑)。
計画では、好きな女性、A子さんとしようか、を含めてみんなで晩御飯を食べ、
そのあとA子さんを彼が散歩に誘い、道中で告白をする、という算段だったのだが…。
みんなでご飯を食べている最中からもう全てが上の空の彼。
彼、ってのもあれなので、Kくん、としよう(別に意味は無いよ))。
頑張ってK君とA子さんの席順を考えて、
サポートチームである僕たちは、彼らが隣同士に来るように配慮。
ま る で 中 学 生 だ な 。
サポートチームの女性Tさんも、
「こんなの、大学四年になってまでやるとは思わなかった。中学生かよ(笑)。」
と一笑に。
まぁでも楽しいことはこの上ない。ある種の退行現象じゃないけど。
でも、もうなんだろう、
サポートチームの腕前が良すぎて(自画自賛だけど、多分すごいよこれは)、
自分たちが笑ってしまった。これは、出来すぎだろー、と。
その、サポートチームも全員が曲者というか、妄想癖があるというか、
日ごろ、「こんなシチュエーションで恋に落ちられたらいいな。」と日々妄想しているものを、
この二人になぞらえて披露していく、のが目的にすり替わる。
いかに二人がいい感じになれる会話を作り出すか、のプレゼン大会のようで、
そこに、チームの構成員全員が全てを賭けていたのだ。これは、楽しいぞ。
演者二人を目の前にした、脚本創作活動、その繰り返しがずっと続いていった。
誰が一番上手いスルーパスを出すか、みたいな。
で、さっき言ったようにもう目的がすり替わっているから、
二人をくっつけるということなんかそっちのけで、
サポートチームがサポートチーム同士を評価しあうような、
誰が一番上手いスルーパスを出したか、そのパスのどこが良かったか、を分析するような、
もう良く分からない会になっていった。
だからもう、ゴールが決まるとかはどうでも良いんだよね(笑)。
K君にとっては切実な問題なんだけど。
A子さんがトイレに立つと、チーム全員で、
「あのパス良かったよー。決めろよK君。」
やら、
「あのパス、いいスペースを突いたよねぇ。」なんて品評会。
冷静に見ると、これは二人に失礼千万だな。
そんなこんなでお食事会も終わり、ついにお誘いタイムへ。
サポートチームもすっかり楽しみ終え、後は何も知らない振りして、
彼らを二人っきりにし、誘うチャンスを与えてしまえばそれで良い。
駐車場に上手く二人を残し、周りで品評会の続きを行うサポートチーム。
と、
ばらばらに帰っていく二人。
いやいやいやいやいやいや(笑)
まてよKくん。
と、彼はどうにも誘うことができないらしく、
ただ帰っていくA子さんの背中を見守るばかり。
Kよ、それでいいのか?
煮立ったTさんが、
「Kくん、ほんとにそれでいいの?
だめでしょ。私たちはいいけど、だめでしょ。
そこくるり君、電話しよ、電話。」
A子さんの電話番号を探して、
ちょっと忘れ物があるから戻ってきてよー、と呼び戻す作戦に。
さすがに、心を決めておいてそれはないだろうと、
Kくんにもう一度チャンスを…、
ってあれ?
全 力 で
走 っ て 逃 げ る K く ん 。
「ダメ、俺、逃げるよ。」
そして本当に、逃げる。
いやいやいやいやいやいや(笑)
固まってしまったサポートチーム。
その、
本当に嫌なら「電話やめてよー(笑)。もう無理だから。」
って言えばそれで済むはずだったのに、
なぜ逃げたのか。チームはもうただただ驚くばかりで、全員が「なんで?」とつぶやく。
この光景、今見るとすごいおかしいな。
チームのMくんも、
「逃げることはないでしょうに。いやいや…。もう、ただただ、びっくりだよね。」
人間が逃げる現場というのを、あんなに鮮やかに見られたのは久しぶりだったように思う。
あんな純粋な逃走劇というか、怖いものから、素直に逃げる、あの感じは、
そんなに経験できるものじゃない、だろう。
僕らが日ごろよく触れたり見たりしているような「逃げ」は、
どこかせこかったり、
逃げるが勝ち、みたいなずるさを内包していたりするけれども、
その日の彼の「逃げ」は、そういった打算的な逃げや隠れではなくて、
ただただ純粋に、怖かったから逃げた、というものであったと思う。
理由とかそういうもの抜きに、ただ天敵から逃げる動物のような、
姿勢とスピードを持っていたように思う。スピード。これもキーワードだね。
速いんだよ、逃げるっていう行為は。すごい。
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まぁ、言ってしまえばただのチキンなんだけども、
それでもあの「逃げ」だけは、なんだろう興味深かった。
いや、まぁ、チキンなんだけどね。
誘えよ。
その後はKくんの家で反省会。
サポートチーム何名かが残り、トラウマを取り払う作業にとりかかった。
このチキンがー。
それにしても、打算的な逃げって言うのはかっこ悪いけど、
純粋な逃げ、っていうのは魅力的だねぇ。
彼は何から逃げていたのか、自分から?超自我から?父から、か母から、か。
なんだろうなぁ。サポートチームから逃げていた、いやでもそれは違う気がするし。
みなさん最近、逃げてますか?
K君のかっこよさに脱帽。
チキンは損気だと思う…
by フェル (2007-07-15 08:58)
>>フェル
すくいずなんて見てるようじゃダメなんだよ!
きっと。
セカイかわいいよセカイ。
あなたもたまには男気を見せたらどうですか?
by nasujirou (2007-07-20 13:30)
ニ○ニ○で見ましたけど、すくいずはどう転んでも鬱(ry
by Tz (2007-07-20 20:38)
スクイズは最高に憂鬱
俺も世界なら、言葉に悪戯します。
っか誠はダメ男
自分は勇気を見せるであります(^∀^)ゝ
がんがりまーす
by フェル (2007-07-22 15:58)
>>フェル
勇気早く見せてくれよー
あとスクイズのゲーム、買って貸して(゚Д゚)
>>Tz
君も勇気を見せたらどうだい。
by nasujirou (2007-07-25 04:33)